フルマニュアルのレンズが欲しい!

t f B! P L
ゴリッゴリのフルマニュアルなレンズが欲しいです。


富士フイルム純正のAF非搭載レンズXM-FL(マニュアルレンズとは言っていない)

Xシリーズってクラシカルに見えても結局は最新の電子デバイス

そもそもX-Pro3というかXシリーズのカメラ買った大きな理由の1つに専用ダイヤル搭載しているというのがありました。
専用ダイヤル良いですよね。
デバイスを直接操作する感じが本当に良い……んですが、まあ実際は電子制御なんです。
そこがちょっと不満というかどうもしっくりこないんですよね。
自分でダイヤル回して機械を直接動かしている気になっているのに実際は電子制御されてる、みたいな?

でもまあISOダイヤルは電気信号の増幅制御的なことするためのものですし、シャッターダイヤルも電子シャッターなんかがあるんだから電子制御が仕方ないのもわかるんです。
露出補正ダイヤルも同様。
そもそも本来設定変更したことにより機械自体が変化した状態が目に見えないものなので。

でもでもでもでも、絞り値が実質電子制御なのなんかやだなぁって。
絞り環を絞ったら本来は絞り羽根がきゅって締まるのに、特になんも変化なしって何かやだなぁって。
もちろんズームレンズなんかはしょうがないんですが、単焦点レンズはなんか、ね?
電子制御しないといけない理由は何となくは知ってます。絞りがオートの場合はその方が制御し易いし、AE-LOCK/AF-LOCKするまでは絞り開放しておいた方が測光やAFがし易い、みたいな?でも……ねぇ?

あとMFモードで今現在のピント距離がどこらへんなのかが画面覗かないとわからないのも不満点。
また、画面内の距離計もレリーズするとなんかちょっと指す位置なり距離範囲なりが変わることがあるのも(え、なに?信じていいの……??)ってなるんですが。

というわけで、絞り環とフォーカスリングは完全なマニュアルが良いなぁっていう考えに至ったわけです。
ちょうど新しいレンズが欲しかったところですし。

単焦点レンズを見繕おう!

とはいえ標準ズームレンズの次に(XM-FL挟んだとはいえ)いきなりMFレンズなんて大丈夫?ちょっと妥協してAFレンズ探さない?という思いもあるわけですが。
取り敢えず欲しいレンズの条件を整理して、それに見合うレンズを探してみようと思います。

今回レンズに欲しい条件は以下。
  • 焦点距離の下限はX-Pro3のブライトフレームが表示できる範囲に合わせて23mm(35mm換算で35mm)
  • X-Pro3に装着したままミニショルダーバッグにサッと入れられるほど薄い(いわゆるパンケーキ)
  • 軽い(フロントヘビーにならない程度に)
  • 良好な操作性(できればフルマニュアル)
  • 最短撮影距離が短い
  • 写りが悪くない(明るさ/ボケや色味に変な癖がなさそう/歪曲や周辺減光が気にならない)
  • 絞り値や距離指標,被写界深度目盛が刻まれていて見た目がカッコ良い(レンズフードの有無に依らず)
  • 予算はレンズ用アクセサリー各種合わせて4万程度まで(中古も可)
以上の条件をどうにか満たしたり満たさなかったりするレンズを数点探し出しましたので、それぞれ特徴と気になる点を整理してみました。

フジノンレンズ XF27mmF2.8

はい、さっそく純正AFレンズです。上で散々フルマニュアルの方が良くない?って言ってたの何だったんだろうっていう感じの候補です。

が、Xマウントに付けられるレンズとしてはXM-FLやUtulens/Wtulensと競えるレベルの薄さと重さな訳で、これだけで他の条件なんて些細なことだぞ!っていうくらいには可搬性に於いて他のレンズから段違いのアドバンテージがあります。

条件の適合状況を確認すると以下の通り。
  • 焦点距離
    • 27mm(35mm換算で41mm)
  • 薄さ
    • 極薄(マウント面から23mm)
  • 軽さ
    • 極軽(78g)
  • 最短撮影距離
    • 普通(34cm)
  • 操作性
    • 絞りリングは無いしフォーカスリングはあるが距離指標も被写界深度目盛も無い
    • でもやっぱりAFは便利よね……?速くはないけれども
  • 写り(明るさ/ボケや色味/歪曲や周辺減光)
    • 絞り開放はF2.8で明るくも暗くもない
    • 面白みのないレンズと評されるくらいにはボケや色味に癖がなさそう
    • 純正レンズなので歪曲や周辺減光は自動補正される
  • 見た目
    • 絞り値はもちろん距離指標も被写界深度目盛も無し
    • コンパクトだけどどこか野暮ったい感じ
  • 価格
    • 新品だと大体50,000円で一通り揃う(中古なら大体35,000円)
絞りリングがないので絞り値変更時はフロントダイヤルをクルクル回すことになると思いますがなんとも微妙。
AFならまあ現状絞り値そんなに変えないんですが、MF使い始めたら被写界深度をコントロールするために絞り値を頻繁に変えたりするだろうし、正直どうなのかな……?

絞り開放はF2.8で特に明るくはないですが、MFでピントを合わせるならば逆にこれくらいの明るさの方が被写界深度が適度に深くて合わせ易いのでしょうか?

またどうせ純正レンズを買うのならAFも使って動体も撮りたいところですが、ちょっと速度に不安がありますし、AF駆動音がかなり騒々しいらしいので動画にも使い辛そうです。

そして何より本記事を執筆している2020年8月時点でXF27mmF2.8Mk2の噂が流れていますので、買うならそちらな気がします。もしかしたら絞りリングが搭載されるかもしれませんし。望み薄ですけど。

MEIKE MK28mm F2.8

純正のお次は中華レンズです。
中華レンズも七工匠製のレンズはよく見かけるのですが、このMEIKEというメーカーはあまり見ないので大丈夫かな?とは思っているのですが、スペック的に全体的なバランスが良く、何よりもお安いので候補入りです。
因みにneewerというメーカーからも全く同じレンズが出ているようですが、MEIKEの方が入手し易そうなためこちらにしています。

条件の適合状況を確認すると以下の通り。
  • 焦点距離
    • 28mm(35mm換算で43mm)
  • 薄さ
    • かなり薄い(マウント面から29mm)
  • 軽さ
    • かなり軽い(102g)
  • 最短撮影距離
    • 短め?(25cm?)
  • 操作性
    • 絞りリングはクリック感がない(動画向きではある)
    • 絞り値や距離指標,被写界深度目盛はあまり信用できない模様
      • 何故か絞りリングでF11だけ絞り値が飛ばされている
    • 絞りリングの回転方向が一般的なMFレンズと逆
    • フォーカスリングを回していたらいつの間にか絞りリングも回っていることがある模様
  • 写り(明るさ/ボケや色味/歪曲や周辺減光)
    • 絞り開放はF2.8で明るくも暗くもない
    • ボケはグルグルするきらいが見られるがあまり気にはならないレベルで色味は若干薄味か
    • 若干樽歪曲で絞り開放では周辺減光も見られる模様
  • 見た目
    • 絞り値や距離指標,被写界深度目盛はあるが……?
    • コンパクトで可も不可もない感じ
    • 距離指標を表示する窓は埃が詰まることがあるらしい
    • フロントのメーカー名や焦点距離などが書かれている面が剥がれるらしい
  • 価格
    • 新品で大体15,000円で一通り揃う(中古は基本的に扱いがないが、値段が値段なので保証の付かないオークションやフリマでもいいかもしれない)
このレンズはAPS-Cサイズ以下の各ミラーレス用マウント向けに発売されていますが、レビューはほとんど見当たらず、あってもm4/3かソニーEマウントのものであるため、上記はおそらくそうであろうという情報です。

このうち薄さ,軽さ,最短撮影距離については全てのマウントにおいて公称値が同値ですが、実際m4/3のレンズをレビューした海外のレビューサイトは特に問題視していない最短撮影距離について、ソニーEマウントのレンズをレビューした国内のブロガーさんは最短撮影距離は30cmほど(ただし個体差かもしれない)だと指摘しています。
また、同じブロガーさんは絞り開放のF2.8からF4まで露出が変わらなかったとしています。
精度が甘いのか他の要因なのか。
どちらにしろ、絞り値や距離指標,被写界深度目盛を信用していいのかわからない≒実質目視できないので、自分で刻み直すなりしないと使えない感じです。
値段は魅力的なんですが……。

フォクトレンダー NOKTON classic 40mm F1.4

名前だけでかっこいいぞ フォクトレンダー!
名前だけでかっこいいぞ ノクトン!

マウントアダプターがあれば別マウントのレンズもいけるんだよなー、安くて小さいレンズないかなー。
ってオールドレンズなんかを調べて行き着いた、コシナ製レンズです。
Made in Japanです。
パッと見た感じ小さそうでカッコよく明るいのに値段もそこまで高くないということで候補に入れました。
物はMマウント(正確にはVMマウント)=フルサイズ用のレンズなので、APS-Cではレンズの中心寄りの良い所だけ使えるイメージでしょうか?お得ですね??

条件の適合状況を確認すると以下の通り。
  • 焦点距離
    • 40mm(35mm換算で61mm)
  • 薄さ
    • ギリギリ許容範囲(マウントアダプター込みでマウント面から39.8mm)
  • 軽さ
    • ギリギリ許容範囲(コシナ純正マウントアダプター込みで250g)
  • 最短撮影距離
    • 長い/普通(70cm/コシナ純正マウントアダプターで33.4cm)
  • 操作性
    • 絞りリングは半段クリック
    • フォーカスリングのトルクも良好
    • 被写界深度目盛はフルサイズ用なのでAPS-Cでは一回りシビアに捉える
  • 写り(明るさ/ボケや色味/歪曲や周辺減光)
    • 絞り開放はF1.4で明るい
    • 絞り開放でぐるぐるボケや2線ボケなどでかなり五月蠅いが、1~2段絞れば良好
    • 1~2段絞れば歪曲や周辺減光はあまり目立たない模様
  • 見た目
    • 大口径だが比較的コンパクトで格好良い
    • 純正フードを付けるとかなり厚くなりそう
    • 被写界深度目盛のデザインは各ECサイトの画像と公式ページや中古品の確認写真の画像とで異なる
  • 価格
    • 新品で大体45,000円で一通り揃う(中古との差は2,000円くらいしかない)
      • 但しマウントアダプターは電子接点もヘリコイドもないサードパーティー製
明るいレンズは持っていないので憧れちゃいますね。
焦点距離も割とイケる感じでした。定番からちょっとずれた換算40mmとか60mmなんかの距離が好きなのかもしれません。

ただ、大きさが微妙。ホント許容範囲ギリギリです。レンズキャップは薄いものに付け替えた方が良いかもしれませんし、純正フード付けたら鞄に入らないです、たぶん。

また絞り開放は明るいのですが、開放付近ではクラシカルな写りを楽しめる仕様となっているからかボケがちょっと主張する感じがするので、面白いといえば面白いのですが、意図しないときに出られるとイヤかもしれません。
しかし2段ほど絞ればほぼ現代のレンズのようにシャキッと写るようになるといいますし、開放付近はピント合わせが難しいので多用はしないと思われるのでそこまで気にしないでいいかもしれません。

しかし絞り開放F1.4は暗所でシャッタースピードを出したい時の保険,最後の切り札として手元に置いておきたくはありますし、五月蠅いボケ味を生かしたものを撮ってみたくもあります。
またEVF/ERF/LCDではシャッタースピードを増感させて反映させて表示しているため、絞り開放が明るければ明るいほど暗い場所でもシャッタースピードを速くできる分増感が軽減されピント調節の際によりクリアな映像でピントを合わせられます……被写界深度が浅くなってそもそもピントを合わせるのがシビアになるとか、わざわざ絞りを全開させるのが面倒くさいとかはさておき。
大きさを妥協できるかが焦点となるでしょう。

フォクトレンダー COLOR-SKOPER 35mm F2.5 PⅡ

またしても フォクトレンダー!
名前のPはパンケーキのP!

コシナのサイトでNOKTON classic 40mm F1.4を確認したついでにフォクトレンダーVMマウントレンズの一覧を見てその形状に飛びついたレンズです。
ただマウントアダプターを噛ませなければいけないため、折角のパンケーキは台無しですが……。

条件の適合状況を確認すると以下の通り。
  • 焦点距離
    • 35mm(35mm換算で53mm)
  • 薄さ
    • 許容範囲(マウントアダプター込みでマウント面から33.1mm)
  • 軽さ
    • 許容範囲(コシナ純正マウントアダプター込みで209g)
  • 最短撮影距離
    • 長い/普通(70cm/コシナ純正マウントアダプターで29.8cm)
  • 操作性
    • 絞りリングは半段クリック
    • フォーカスリングのトルクも良好
    • 被写界深度目盛はフルサイズ用なのでAPS-Cでは一回りシビアに捉える
    • 薄いので操作性が悪いという話も聞くが、正直慣れの問題だと思う
  • 写り(明るさ/ボケや色味/歪曲や周辺減光)
    • 絞り開放はF2.5で若干明るい程度
    • 優等生的写りで面白みはないと評される程度にはボケや色味に癖がなさそう
    • 歪曲や周辺減光はあまり目立たない模様
  • 見た目
    • そこそこコンパクトで格好良い
    • 純正フードを付けるとちょっと厚くなりそう
  • 価格
    • 新品で大体42,000円で一通り揃う(中古との差は3,000円程度)
      • 但しマウントアダプターは電子接点もヘリコイドもないサードパーティー製
35mm換算で53mmのザ・標準レンズです。
絞り開放でもそこまでは明るくなりませんが、MFなら必要十分だと思います。
最悪ISO値上げます。高感度そこそこイケるし。

NOCTON classic 40mm F1.4を一回り小さくして2段弱暗くしたような性能のようなので、NOCTON classic 40mm F1.4の項の最後の段に挙げた絞り値開放F1.4の利点やボケ表現について妥協できるならば、こちらの方が良いでしょう。
ロマンを採ってNOKTON classic 40mm F1.4にするか、リアルを採ってCOLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PⅡにするかといった感じでしょうか。

フォクトレンダー HELIAR 40mm F2.8

そして フォクトレンダー!
沈胴レンズ!

(沈胴させたら)ひたすら小さいレンズということで一応候補に挙げました。
なんせその薄さはXF27mmF2.8に匹敵します。

条件の適合状況を確認すると以下の通り。
  • 焦点距離
    • 40mm(35mm換算で61mm)
  • 薄さ
    • 劇薄(沈胴時マウントアダプター込みでマウント面から22.7mm)
  • 軽さ
    • 許容範囲(コシナ純正マウントアダプター込みで207g)
  • 最短撮影距離
    • 無限遠/長いレンズ単体では∞固定でフォーカス不可/コシナ純正マウントアダプターで50cm)
  • 操作性
    • 絞りリングはクリック感がない(動画向きではある)
    • フォーカスリングはコシナ純正などのヘリコイド付きマウントアダプターのヘリコイドを代用する形なので、距離指標や被写界深度目盛は無い
      • カメラ本体の距離指標系を参照することもできない為、実質距離は一切判らない
    • 沈胴式であるため取り出してから撮影するまでの手順が1つ増える
  • 写り(明るさ/ボケや色味/歪曲や周辺減光)
    • 絞り開放はF2.8で明るくも暗くもない
    • ボケは癖がなく、色味は絶賛されがち
    • 歪曲や周辺減光はあまり目立たない模様
  • 見た目
    • 沈胴レンズなためザ・クラシカルレンズといった出で立ちで良くも悪くも個性的
    • 沈胴状態だとレンズフィルターに付属のドーム型フード+レンズキャップでもかなり薄い
    • シルバー系の色や突起は気になるかも
  • 価格
    • 新品で大体58,000円で一通り揃う(中古との差は5,000円程度)
      • 但しマウントアダプターはサードパーティー製ヘリコイド付きアダプター
とにもかくにもマニアックなレンズです。
おマニのおマニによるおマニのためのマニマニのレンズです、きっと。
人と違うものが欲しいのならばいいのでは?

レビューなど見ていると写りは大変良さそうではありますが、距離指標や被写界深度目盛はないですし、最短撮影距離が長く、価格もだいぶ予算オーバーとなります。
また特にどこかで言及されているわけではありませんが、MEIKE MK28mm F2.8の距離指標の窓動揺に絞りリングの窓にも埃が詰まりやすい可能性はあります。

今回候補に入れている中では、焦点距離は違えど同じ明るさで同じくらいの大きさのXF27mmF2.8が対抗馬ですかね。
絞りリング・写りの良さ・見た目の面白さを採るか、純正・軽量・安価・AF・最短撮影距離を採るか。

七工匠 7artisans 25mm F1.8 25FXB

ちょくちょく見かけるので若干警戒心が薄まっている中国は深圳の光学メーカー、七工匠のレンズです。

が、どうも他のメーカーでも同型のレンズが出ているようです。OEMでしょうか?

条件の適合状況を確認すると以下の通り。
  • 焦点距離
    • 25mm(35mm換算で38mm)
  • 薄さ
    • 許容範囲(マウント面から32mm)
  • 軽さ
    • かなり軽い(143g)
  • 最短撮影距離
    • 短い(18cm)
  • 操作性
    • 絞りリングはクリック感がない(動画向きではある)
    • 絞り値や距離指標,被写界深度目盛はあまり信用できない模様
      • 何故か絞りリングでF11だけ絞り値が飛ばされている
    • フォーカスリングの回転方向が一般的なMFレンズと逆
  • 写り(明るさ/ボケや色味/歪曲や周辺減光)
    • 絞り開放はF1.8でかなり明るい
    • ボケはグルグルするきらいが見られるがあまり気にはならないレベルで色味は濃いめ
    • 絞り開放ではかなりボケが五月蠅そう
    • 若干樽歪曲で絞り開放では周辺減光も見られる模様
  • 見た目
    • コンパクトで悪くはないが何とはなしに野暮ったい
  • 価格
    • 新品で大体15,000円で一通り揃う(中古は基本的に扱いがないが、値段が値段なので保証の付かないオークションやフリマでもいいかもしれない)
値段帯はMEIKE MK28mmF2.8と同等で3mm厚いことと見た目以外は割と良好。
フォーカスリングの回転方向を割り切れれば良いかも?
ただXM-FLと焦点距離がほぼ同じなのが気にはなります。

また、七工匠には焦点距離と明るさとフォーカスリングの回転方向と価格以外ほぼほぼ同じの7artisans 35mm F1.2 3512FXBというレンズもありましたが、絞りリングやフォーカスリングの形状が細すぎ、また性能以前の品質の点でのレビュー内容があまり芳しくないようだったため見送りました。

因みにどちらのレンズもMEIKE MK28mm F2.8同様、精度が甘いのか他の要因なのか絞り値や距離指標,被写界深度目盛がだいぶアバウトのようです。

七工匠 7artisans 35mm F2 3520FXB

同じく七工匠のレンズです。

元々Mマウント用フルサイズのレンズとして作られたものを、レンズ構成はそのままにXマウントとソニーEマウント用に作り替えられたもののようです。
なのでフォクトレンダーのレンズ同様、フルサイズ用のレンズを使っているようなお得感?があるのかもしれません。

条件の適合状況を確認すると以下の通り。
  • 焦点距離
    • 35mm(35mm換算で53mm)
  • 薄さ
    • ギリギリアウト(マウント面から41mm)
  • 軽さ
    • ギリギリアウト(270g)
  • 最短撮影距離
    • 普通(35cm)
  • 操作性
    • 絞りリングは1段クリック
  • 写り(明るさ/ボケや色味/歪曲や周辺減光)
    • 絞り開放はF2で程よく明るい
    • ボケはグルグルするきらいが見られ、絞り開放ではかなり五月蠅そう
    • 若干樽歪曲で絞り開放では周辺減光も見られる模様
  • 見た目
    • ちょっとズングリした感じ
    • フォーカスリングより先の部分を伸ばすと組み込み式のフードとなる
  • 価格
    • 新品で大体20,000円で一通り揃う(中古との差は3,000円程度)
七工匠のコンパクトなレンズの中で、突出してレビュー件数が少ないです……。
レンズフード組み込みということでトータルで見るとNOKTON classic 40mm F1.4よりも小さくなるかなとは思いましたが、素でもやはり大きいしレンズフード組み込み以外のメリットが価格のみなのがネックです。

見繕ったレンズを絞り込もう!

見繕ったレンズをまとめると以下の通り。
  • フジノンレンズ XF27mmF2.8
    • 安定の純正。AFは使えるがフルマニュアルには遠い。後継レンズの噂在り。
  • MEIKE MK28mm F2.8
    • 薄くて安いが精度は疑問。
  • フォクトレンダー NOKTON classic 40mm F1.4
    • 格好良く明るいが大きさは微妙どころ。絞りによって写りが劇的に変化。
  • フォクトレンダー COLOR-SKOPER 35mm F2.5 PⅡ
    • ザ・パーフェクトバランス。
  • フォクトレンダー HELIAR 40mm F2.8
    • 収納時は劇薄なマニアックスタイル。しかし高い。
  • 七工匠 7artisans 25mm F1.8 25FXB
    • そこそこ薄くて安いが精度は疑問。XM-FLと焦点距離が似ている。
  • 七工匠 7artisans 35mm F2 3520FXB
    • 安定感はあるがちょいと大き過ぎる。フードは組み込み式なので着脱が容易。
ここから絞っていきましょう。
まずXF27mmF2.8はもし後継レンズ出てきたら後悔しそうなのとマニュアルレンズがいいという観点から除外。焦点距離は好みなので、後継レンズが出たらそちらを入手したいです。
次にHELIAR 40mm F2.8は見た目がやはりちょっと合わないかなというのとMFレンズ扱いたい理由としての距離指標の確認ができる術が一切ないのと、何より予算大幅オーバーはやはり看過できないので除外。
そして7artisans 35mm F2 3520FXBも大きさのデメリットを覆せるメリットが組み込みフードくらいしかないので除外。
最後にMK28mm F2.8と7artisans 25mm F1.8 25FXBも安さには惹かれますがそれだけなので敢えての除外。各指標の精度も不安しかないですが、MFレンズに慣れて次なにか面白いMFレンズが欲しいなっていうときの選択肢には丁度良いかもしれません。

残ったのはフォクトレンダーのNOKTON classic 40mm F1.4とCOLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PⅡ

COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PⅡの項でも言いましたが、ロマン(明るさと絞り開放付近でのクラシカルな描写)を採ってNOKTON classic 40mm F1.4にするか、リアル(レンズの小ささ,実用的な明るさ/描写)を採ってCOLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PⅡにするかといった感じでしょうか。
因みにヘリコイド付きアダプターを使えばどちらのレンズも最短撮影距離は30cm前後まで縮められますが、コシナ純正は32,000円ほどで高額。それよりも10,000円ほど安価なもので焦点工房というところのものもありますが、他のXシリーズのカメラならともかく、X-Pro2及びX-Pro3はレンズのリリースボタンの外枠とマウントアダプターが干渉してカメラに傷が付きます。

おおっとここで速報です!

以前X-T30を貸してくれた従兄にレンズ選びを相談したところ、なんとこの焦点工房製ヘリコイド付きマウントアダプターを譲ってもらっちゃいました!!
……いいのかなこれ2重の意味で。
コシナ純正よりは廉価とはいえ20,000円はするものだし、そしてこれ装着したらX-Pro3にスクラッチ跡付くことになるし……。
まあ従兄は別システムに移行しちゃって要らなくなったっていうのと、試しになるべく擦れないように頑張って浮かせて装着してみた結果、見事に何かしらの擦れ跡ができてしまったので、少しの擦れ跡も大きなスクラッチ痕も傷は傷なので諦めがついた、というかカメラを使い込んでいけば大なり小なり傷がつくので、マウントアダプターの擦れによる傷もその一つと思えばいいかな、という心情の変化でありがたく頂くことに相成りました。

因みにコシナ純正のマウントアダプターと比較すると、ヘリコイドの誤回転防止のロックが無い代わりにヘリコイド繰り出し量は2mm多い6mmです。そのため純正よりも最短撮影距離が短くなることが期待できます。

なお、ヘリコイド付きのマウントアダプターが手に入ったためHELIAR 40mm F2.8も十分予算の範囲内となりましたが、どちらにせよ見た目と距離指標が一切分からないことに変わりはないため除外されます。
しかし、2本目のMFレンズ候補としてはあり寄りです。

追記:X-Pro3ユーザーは焦点工房製ヘリコイド付きマウントアダプターは使わない方が良いです、たぶん

このマウントアダプターを装着するとX-Pro3に傷が付くとは上に書きましたが、実は懸念される問題はそれだけではない可能性があります。
そもそも傷が付くということは、マウント面よりも高い位置に部品があってそこに干渉しているということです。故にマウントアダプターは装着時にその部品に乗り上げる形となります。
つまり、マウントアダプターはX-Pro3本体のマウント面とは完全には密着しません。斜めになります、ほんの極僅かにではありますが。
しかし、斜めになったからといっても隙間から光が入り込んでしまうということはないようなので、写り自体にはほぼ影響はないように思えます。
問題は本来ピッタリがっちり密接するはずだった堅い金属同士が異物によって無理矢理隙間をこじ開けられている状態になっていることです。
下手するとX-Pro3本体側のマウント面やマウントの爪?部分が変形し、他のレンズを装着した際にも影響が出る可能性もあるのでは?
そしてその歪みはレンズのマウント部分にも影響を及ぼし、更にそのレンズを装着した別のカメラのマウント部分にも影響を――歪みの連鎖は怖い、妄想かもしれませんが。
結局もう富士フイルム純正なら問題ないでしょ?ってことで落ち着きました、割高ですが。

最終的に選択したのは

話を戻しましてロマンとリアルのどちらを採るかですが、今回はリアルを採りたいと思います。

理由:小さいレンズはロマン

……アレ?
まあ、奇をてらわない焦点距離と絞り開放でも暴れない描写、あとはちょっとお安いというのも追加で。
あと小口径なので、カメラを構えた際の威圧感がより小さくなるというのもあります。
ただ執筆時点ではAmazonで割高なものしか出回っていないため、入手できるのはまだもう少し先になりそうですね。

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